夏の味覚

{津軽海峡は天然ホヤ}
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「この料理を食べると夏だな~と感じる。」というように、季節季節の味覚と言うものがあるものですね。
コンクリートジャングルの中に生活していれば、季節感を感じることはあまり出来ず、スーパーへ買い物へ行っても、年がら年中同じ食材ばかりが顔を揃え、季節のご馳走を楽しもうと言う感覚は薄いものだと思います。
夏に鱈の湯豆腐、鮟鱇鍋、冬にスイカやトマトとキュウリのサラダなどを食べても、美味しいはずは無く、やはり夏は海を眺めながら、よく冷えたビールに冷奴やトコロテン、冬は温泉に入って、熱燗に湯豆腐という味覚は味だけではなく、体も欲求するものでありましょう。
青森という土地に生まれ育ち、何が一番と言えば、四季をはっきりと感じれると言う事であります。つまり季節季節の美味しい食べ物が、どこの土地よりも多種多様に味わえると言う事でありますね。
四季と言う言葉だけでくくることは、本当は出来ない土地であります。この頃はあまり耳にすることは無い日本の節句。処暑や小春、立夏や大寒などの二十四節句をリアルに感じることが出来るのが青森です。
{キュウリの芥子漬けと烏賊ゲソ煮}
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県全体が自然遺産みたいなものすので、外へ出るだけで、季節の移ろいを感じることが出来、食材も10日~2週間周期で、刻々と変化していくのを見て取れます。
日本海・津軽海峡・陸奥湾・太平洋の四つの海に囲まれ、八甲田山や岩木山、名久井岳や釜臥山の自然豊かな山々が点在し、十三湖、小川原湖、十和田湖、十二湖などの湖も各地方にあり、津軽平野や南部平野などなど、起伏に富んだ豊かな土地から食料自給率120%近くの食材を生産しております。
米・農産物・魚介類・畜産物・果実類の五品目が20%づつと、とてもバランスがよく生産されており、食べる事が何よりと言う人にとっては、これ程恵まれた土地はないでしょう。
そして温泉の数が、日本では2位。人口比率では1位であります。青森市内だけで考えても、学区に2~3箇所は公衆温泉があります。自分の家からは、歩いて2分ほどのところに公衆温泉があり、車を使って10分程の距離には、4箇所の温泉施設にお邪魔できる環境に住んでおります。温泉に程近いところに住む市民の皆さんは、仕事前に近所の温泉で湯に浸かってから、仕事に出かける人も少なくありません。仕事から帰って来てからも、もちろん温泉に入ります。
{北国の夏の山菜ミズの皮を剥く}
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食べるものも温泉も自然も豊富にあり、ねぶた祭りや三社大祭などの大きい祭りも沢山あり、縄文遺跡や津軽三味線などの文化も様々ありますが、青森県人にとっては当たり前で贅沢でもなんでもなく、それが普通なのですから、他県から見れば、変った所のようです。
キュウリの芥子漬けと真烏賊のゲソの煮付け。ミズ(夏の山菜)とホヤの水物。これを料理したり、口にすると、「夏だな~!」と思います。
朝取りの我が家のキュウリをピリリと芥子漬けにし、胴体部分より美味しい(烏賊類は胴体の中の腸の周りの身、ミミ、足、その次に胴体の順に美味しいものです)ゲソを生姜を効かせた醤油味でさっと煮付け、冷蔵庫で冷やして食べると、ビールのつまみにもってこいであります。
津軽海峡の天然のホヤ(養殖のホヤは生臭くて食べれません。ホヤが苦手と言う方は一番最初に養殖を食べている場合が多いものです。)を下処理し、昆布と塩と八甲田の名水を蛇口をひねって合わせたものにホヤを漬け、朝取りの津軽半島の奥山の沢に潜む、ミズの皮を剥き、色よく茹でて、これまた昆布と塩と八甲田の名水に漬け込み、冷蔵庫にて冷やし、食べる直前にホヤとミズを合わせれば、ギンギンに冷やした大吟醸を早く飲みたいと、言わずにはいられません。
{我が家の無農薬トマト}
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夏に、油がたっぷり浮いたラーメンやこってりソースが掛かった料理などは、蒸し暑い日本の夏には食欲をそそりません。
自然の乏しい土地では、余りこの様な感覚は無いものと思われます。けれども自然は季節季節に合った味を提供してくれます。
金さえ稼げれば、コンクリートジャングルにしてもいいという街作りは、美味しいものは食べる事は出来ないでしょう。
生き物は自然に頼らなければ、生きていくことは出来ないと思います。豊かな自然に囲まれた街作りをすすめ、いつの時代も季節季節の味覚を楽しみ、仲間同士、お酒を酌み交わせる環境づくりを心掛けたいと思います。
この頃「これは美味いな!」と思う料理に、ガス釜で炊いて、少しだけ冷めた白いご飯に、程よく酸っぱくこなれたキュウリの一本漬けが実に美味いものだな~と感じるようになりました。前々から、暑い夏には、塩マスを焼いたものに、冷や飯に水を掛けて、ぎゅ~ッと押して、しょっぱく酸っぱくなった、キュウリの漬物を薄くスライスし、氷水に浮かばせて食べるご飯が、夏は一番だと思っていたのですが、白いご飯とキュウリの漬物だけで、昼飯を食べて満足できる自分が今年の成長と感じています。
{我が家のサヤインゲン・茗荷、木造産とうきみの味噌汁}
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煌びやかに着飾った料理が、日本料理の衰退を招き、何が主役で何が美味しいのか、お客さんには分からず、受け入られず、お寿司やお蕎麦、イタリアンなどのシンプルで分りやすい料理が、市場を圧巻している傾向でありましょう。
一番手間隙、技術も知識も原価も掛けている日本料理はどこへ進むのでありましょうか?
今現在の日本料理は、余りにも小手先や見た目に執着し過ぎの様であります。
日本料理の板前さんが原点に戻り、「白いご飯とキュウリの一本漬けが、これ程美味しかったのか!」と早く気付かなければ、これから先も日本料理屋は、あまり注目されずに終わることでしょう。
夏の味覚。トマトにトウモロコシ、スイカにメロン、ホヤにマガレイ、枝豆に茄子、ブルーベリーにプラム、鯒にカサゴ、ズッキーニにピーマン、梅に杏子、ウニに蜆、ユウガオにジャガイモ、ホタテにアワビ、ササギに玉ねぎ、車えび、サザエ、サヨリ、アブラメなどなど、どれをとっても一級品の食材が青森には溢れています。まだまだ、これらの食材を使った夏の料理は沢山ありますが、どの食材も個性的で味が濃いので、シンプルな調理法が何より美味しいものです。
明日もまた、白いご飯とキュウリの漬物が食べれる青森の夏がいいですね。
食と自然と温泉。そして、縄文と祭りと三味線の国、青森。あまりにネタが多すぎるのが、商売的に厄介なところでしょうか?
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{自分のお店から歩いて、2分の青森湾の景色}

Yahoo ブログ‘より良い社会作り’もご覧下さい。
by tk-mirai | 2008-08-14 21:24 | Comments(0)

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