粥漬け

{津軽半島の奥山で山菜採り。蕗に囲まれているが、採るのは胸の高さになってから}
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津軽の料理には、実に手の込んだ料理が随分多いと常々思います。
料理というものは、ただ、手を掛けたからといって、美味しくなるというものでは無いが、時間をかけて、手間隙惜しまず作ったから、美味しいというものも中にはあります。(発酵食品や郷土料理に多い)
茶蕎麦を茹でて、並べ。大根を桂剥きし、醤油ベースの出しで煮含めておく。アナゴも捌いて、洗って、霜降りして、煮含ませる。牛蒡を糸状に切り、湯がいて煮含ませる。先の茶蕎麦を芯に、煮含めた桂向きの大根で巻き、その上から煮含ませたアナゴで巻き、それを糸状の牛蒡で巻き、蒸して温め、醤油ベースの葛を利かせた餡を掛け、上には千切りして、油でパリッと揚げた葱と木の葉に模った人参を乗せ、糸三つ葉の軸を手前に盛り、周りには花びらに似せた、ゆり根を散らし出来上がり。
手間も時間も随分かけて、見た目も美しく、家庭ではまねする事など出来ないお料理・・・・。
けれども食べて、本当にそれが美味しい料理なのか?主役が何なのか分らず、ごちゃ混ぜで、何を食べているのやら分らない料理。それは展示料理であって、食べる料理ではない。
本当に手間隙かけて、美味しい料理というのは、出来上がったその姿を見て計る事は出来ず、途中の調理過程に一番時間をかけているものであります。それは見た目では判断出来ませんね。
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{一本づつ根曲がり竹の皮を剥きます}
津軽の春の郷土料理に、山菜を贅沢に使った粥漬けなる料理がございます。
家庭によっては中身は違えども、基本的には津軽の伝統料理に違いはありません。
根曲がり竹、ワラビ、身欠き鰊、ミズ、アイコなどなどを下処理し、お粥で漬けたというか、和えたお料理です。
一行二行で表せる料理ですが、今では時間が掛かりすぎるため、家庭ではあまり出会う機会がなくなったお料理であります。
山菜を取ってくるだけでも、大変なことですが、それを洗い、茹でる、晒す、皮を剥く、細かく切り揃えるなどの段取りが、先に示したアナゴを巻いたお料理よりも、ずっと手間隙掛かるものであります。
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{粥漬けの下拵え}
ここでご覧頂く粥漬けはと言うと、まず、山菜を採って来て、水洗いし、ワラビは灰をまぶし、熱湯をかけ、そのまま軟らかくなるまで漬けておき、一本づづ灰やゴミを指で摩りながら水洗いをし、一口大に切り分け、そばつゆ加減の出汁に漬けます。根曲がり竹は一本一本皮を剥き、包丁で確認しながら、硬いところは切り落とし、出来るだけ早く湯がき、水に晒します。生姜と人参を千切りにし、水に晒し、水切りしておきます。身欠き鰊は、背びれを切り、中骨を包丁で剥いて、皮を剥き、細かく切り分け、酢で和えておく。残りご飯を水で煮込み、酢と塩で下味をつけ冷ます。
晒しておいた根曲がり竹を一口大に乱きりし、酢と塩で和えて置いておく。ワラビは味が含んだ頃を見計らい、笊に上げ汁を切る。小口きりのタカの爪を準備しする。ここまで用意が出来ましたら、綺麗なボールに全ての材料を入れ、塩と酢と醤油で味を加減し出来上がり。
朝、山菜を採って来て下処理をし、晒したり、味を含ませたりとしていると、2日がかりで完成するお料理です。
けれども、お酒のお供にはもちろん、ご飯のおかずにももってこいのお料理ですので、あまりの美味しさに、無くなるのは一瞬です。でも、若い方は、この様な、料理は食べなれないので美味しさも作り手の苦労も知らないので、お箸を付ける事は無いですね。ある程度人生経験も食べ物のことも、分る方々にお勧め出来るお料理です。
食べてが料理を選ぶのではなく。料理が食べ手を選ぶ、いい例のひとつと思います。
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{津軽の伝統料理の一つ。粥漬け}

yahooブログ‘よりよい社会作り’もご覧下さい。
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by tk-mirai | 2008-06-06 12:28 | Comments(0)

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