ガサエビ(蝦蛄)

{陸奥湾のシャコを煮付けました。}
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津軽ではガサエビ。一般的にはシャコ。
4~6月にかけて、陸奥湾で水揚げされます。
津軽ではゴールデンウィークが桜の盛りになり、全国各地からお花見見学に大勢の方々がおいでいただいております。
日本一の桜の名所で名高い、弘前城。すごい人でごった返すらしいです。
実は自分は仕事柄、お花見見物というものをゆっくりした事が無く、弘前の桜祭りも良く知る事もございません。想像は出来ますが・・・・。
もっぱら、この時期はお店でお客様を待ちわび、今年はどんな方がいらしてくれるのだろうと考えながら、せっせと仕込みをしております。
だからと言って、お花見をしないわけではありません。
自分がお花見をするといったら、人気もまばらな、出店も無い「花より団子」ではなく、「花見は花見」でありますね。
{隠れた桜の名所。国の指定史跡・浪岡城址}
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弘前城のお花見をしてこられた方々のお話を聞いているだけで、自分は充分弘前の花見はした気分に成ります。
青森はリンゴが盛んなのはご承知のとおり、その選定技術を利用して、桜も選定する。
その為他の地域に比べ、桜の背丈が低く、ちょうど手のひらを合わせ、手首だけを付けて、開いたような枝ぶりに桜の木が開いています。そして桜の花が咲くと密集して咲き乱れます。
残雪の残る岩木山を背景に、お城の周りに何千本もの豪快な桜が咲き乱れる。
日本一の名にふさわしいコントラストでありましょう。
{密集して咲き乱れる津軽の桜。まるでわた雪が積もった様。}
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津軽の方々がお花見のお酒のつまみに持っていくものといえば、屋台のものも頂くのですが、そのほかに、ガサエビ、陸奥湾特産のトゲクリガニにお刺身の類、山菜料理でありましょう。
東京などのお金持ちの皆さんが、お花見といって、ビールと乾物を口にしているところ、貧乏な津軽では、庶民でさえも、お花見といえばガサエビとトゲクリガ二が欠かせません。
津軽ではシャコやガニを肴に地酒を飲むのは当たり前。何も贅沢な事ではありません。
けれどもシャコやトゲクリガ二のピークは、実はお花見の後。桜が散ってしまってから、身も卵も充実してきます。
朝早く、いつものように市場に買出しに向かうと、発泡スチロールに濡れた新聞紙がかけられ、その新聞をめくると、シャコがどっさり。少しでもゆすると、ガサガサ、ガサガサ。だから津軽ではガサエビと言われるのです。
{タラの芽を採る}
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とっても凶暴で食欲盛んなガサエビは、暗闇では目がひかり、シャシャシャッ、シャシャシャッ、シャキン、シャキンと鳴いているものです。
手でつかむと、鋭いのこぎりでバチンッバチンと襲い掛かります。なれない方は怖がって、触る事も出来ないでしょう。
けれども触らなければ、身の入り具合が確かめる事ができません。自分もはじめ、職人さん方々はなりふりかまわずシャコを選別いたします。
そのグロテスクな様相とは裏腹に、ものすごく濃厚な味が致します。
甲殻類特有の濃厚な甘味・旨みは、津軽のガサエビやトゲクリガ二は頭一つ抜け出していると思います。
{高山植物、日本固有種シラネアオイ。山菜取りに行くといくらでも出会えます。}
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濃厚でありながら、繊細で奥行きのある味わいは津軽の食材の秀でている部分でしょう。
塩茹でにしたり、醤油味で煮たり、蒸してみたりと、個性が強く濃厚な味のため、シンプルな調理が一番美味しく食べる方法であります。
自分は、朝、生きている状態のものをすばやく洗い、薄めの出汁とお醤油・みりん、スライスした生姜と共に煮付けます。冷めるまでその汁に漬けておき、一本一本調理鋏で切り、お客様が食べよいように、丁寧に剥き身にいたします。手間も時間も掛かれども、お客様の手を煩わすこともなく、指をよごすこともなく、召し上がっていただくためには、当たり前のサービスですね。
シャコを煮た、その汁も実に美味しく、その汁を漉して、ゼラチンで緩めに寄せて、殻を剥いたシャコに掛けて、お出ししたりも致します。
この時期は山菜も盛りの時期であります。青々と野趣あふれる山菜とご一緒に、海と山の自然の味覚を満喫していただきたいと思います。
{津軽半島のアイコという山菜(アスパラのような味わい)とガサエビ}
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Commented by 東京の吉川 at 2008-05-15 13:54 x
未来さん、結構長いブログですね(笑)。
熱い思いが伝わってきます。シャコのことをガサエビっていうのですか、知りませんでした。北陸のほうに「ガスエビ」ってのがありまけど、それと混同してましたよ。また寄らせて頂きたいものです、旨いもの食べさせてください。
青森出張からちょっと遠ざかってしまって。では近いうち。
Commented by tk-mirai at 2008-05-20 13:31
東京の吉川さん、お久しぶりですね。
吉川さんの楽しい食べる哲学は、大変勉強になります。
青森のシャコは関東近辺のシャコに比べて、かなり大きいらしいですね。青森のしか、知らないので比較できないのですが、関西のお客さま曰く、瀬戸内のは10センチも無いそうですね。青森は平均でもその倍のサイズです。
北陸の「ガスエビ」。初めて聞きました。
今度ゆっくり、聞かせてください。お願いします。
by tk-mirai | 2008-05-13 13:24 | Comments(2)

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