刺身っこ

{本日の刺身。全て天然。活マコカレイ、活さば、活イシガキダイ、サヨリ、真鱈白子}
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日本料理の‘華’は椀・刺・焼。
お店の格を決めるのはこの三品に集約されている。
お椀の汁の味加減でその店の味を知り。お刺身の技術力で腕を知り。焼き加減で知識を読み取る。
その中でももっとも一番のお料理はお刺身でありましょう。
ある著名なシェフが「刺身は包丁で切るだけで、料理とはいわない。」という発言を聞いた事がある。大変失礼ながら、まったくお料理を理解していないと言わざるをえない。
確かに切るだけでありましょう。日本料理以外のお料理は切る事に無頓着。けれどもシンプルなものほどごまかしは利かない。
”包丁で切る事によって味を作り出す。”非常に優れた技術と知識と経験を要する。
切れない包丁で完熟トマトを切るとしよう。なかなか切れず潰れるかのように引きちぎられトマトの汁も出る。断面はぐちゃぐちゃ。カミソリのように鋭い切れ味の包丁で切る。すぱっと断面はきれいに輝き、汁は一滴も滴り落ちない。
切るという作業は少なからず、食材の繊維を切断し組織を壊すという事である。切れる包丁は極力繊維を壊さず旨みを閉じ込め、味を集約する。切れない包丁は食材を傷め旨みを流出し口当たりもべちょべちょして味覚が劣る。
普段からの包丁とまな板の手入れ。そして清潔な仕事が要求される。
食べる形までに調理をする事は大変である。
当店では朝一番にトラックに大きな水槽を載せた魚屋さんが津軽海峡近辺で水揚げされた生きた魚を運んできてくれる。その中から今日一番だと思われる旬の魚を直接手に取り、目利きをし、魚体を確め、血抜きしてもらう。まだびくびく動く魚たちを抱えながら店へ戻り、下処理をする。
魚には体を守るために鱗とぬめりが有る。それが生臭みの素となる。
鱗をこそげ取り、包丁の刃先とつばを利用しぬめりを極力無くする。そして内臓やら血合いなど生臭みの原因となる余計なものを水洗いにおいて排除しなければならない。
ぬめりや鱗、血合いや皮目に生臭みがあるのであり、中心の身自体には臭みは無い。
食べるために必要な部分。お酒で言う吟醸。中心の美味しいところだけを包丁とまな板で表現する。そこまで考えなければ美味しいお刺身とはならない。
{朝に卸、夜一番旨みが乗るように木箱で寝かせる}b0111551_1622185.jpg
青森は実に豊か。日本海・津軽海峡・陸奥湾・太平洋と四つ異なった環境の海を擁している。実に四季を通して多種多様の魚が水揚げされる。薬臭く油ギトギトの養殖物は取り扱いません。
お刺身は季節の白身を追及してこそ本物。
マグロが一般的にはスター性はあるが、マグロは魚屋さんが捌いてしまい、板前さんは何もする事がない。切り身を買ってきて、一口大に切ってお出しするだけである。活締めをの魚を買ってきて調理するほうが数倍手間隙かかる。魚屋さんが板前の様に清潔で包丁やまな板の手入れが出来るとは思えない。それでも御客様は手間暇かけた白身のお刺身より高級なマグロの方が喜ぶのだからなかなか理解してもらうのは苦労がいります。マグロも美味しいです。それ以上にぷりぷりの活きた白身のお刺身はもっと美味しいと思います。
ある御客様のお話。仕事柄全国各地を回り、スーパーとデパチカを見て回るそうです。「青森の町場のスーパーのパック入りの魚のレベルが他では料理屋さんで使うレベル。」そう言われれば、自分も年に数回、県外にお邪魔するが確かにそう思う。だからこそ、魚を食べなれた青森県人に納得していただくため、いい魚を仕入れなければならない。家庭では食べれないレベル。お金を出してまで食べる価値があるお料理。それがお料理屋さんの仕事です。
青森ではちょっと包丁が持てる家庭であれば、東京の居酒屋さんを優にしのぐ刺身っこが食べれます。所得は低くても、普段の生活は実に豊か。
青森で魚を食べていると他で高いお金を出して食べるのは遠慮してしまう。
豊かな青森。食のワンダーランドである。
{カワハギ、マコカレイ、イシダイ、オニカサゴ、赤メバル}
刺身醤油は自家製。日本酒に梅干と昆布、薄口醤油に鰹節
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by tk-mirai | 2007-12-04 15:47 | Comments(2)

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