ブランド

{世界の名物。五所川原立ちねぷた。希少性のある祭りです。}
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普段はコンビニで買ったシャツかパンツ一丁で過ごしているものですが、場面と場合によってはその格好では用足しに不十分な時があるものです。
自分は料理屋かレストランにお邪魔する際、その出で立ちでは「お店に迷惑になるな〜。」と思い、少しなりともお店や他のお客様の目の毒にならない程度の身支度は心がけるものです。
料理屋・レストランにお邪魔するのに合わせ「一帳羅でお色直しでもしようかな。」と柄にも無く服屋さんを覗くのですが、料理屋に白い蝶ネクタイに燕尾服というのも合わないように思われるし、レストランに裃紋付羽織袴も物々しいかもしれない・・・。
どの程度の格好が相応か?と頭をひねりデパートに入り「この位のブランドかな〜?」と自分の懐具合と相談しながらそこそこの洋服屋さんに足を運びます。
そこのお店と相談しながら服を選び、店員さんが色々提案をしてくれます。「これはどうですか?」「あれはどうですか?」としているうちに、「無いものはカタログの中からでも取り寄せれますし、サイズの切れているものも同ブランドの店から引っ張れます。近いところなら明日・明後日にも取り寄せれますよ〜。」と優しくアドバイスをしてくれます。
地元の青森のデパートで見立てる事もあれば、勉強に都会のデパートや目抜き通りのとあるブランド専門店にもお邪魔して目利きをする事もあります。
ウインドーショッピングというものをする事がない自分は、必ず買うつもりで見て歩くのですが都会でも「ああ〜、見たことある。青森にもあるブランドだ。」などと田舎根性で買い物をしているものです。
勿論、人口・平均所得が違うので都市部は品揃いも豊富で、シャツ・セーターが一着数十万するものも目にする事もありますが、数万円位のものは青森でも見掛けるし、取り寄せも出来るし、ネット販売も可能で、今や住んでいる場所はあんまり関係なく、色々なブランド物がどこに居ても入手可能なものと思います。
‘通販’というものは1920年代には登場しているようですし、人口の少ないところでは商品数は少なくても無いこともないし、全体的に見ればどこに行っても同じようなものはあり、超富裕層向けでもない限りブランド物といっても数が少ないというわけでは無いと感じます。
「青森市には一着しかないですよ。」と店員さんが勧めてきても、他の都市や都会のデパートに行くと幾らでも同じ服が売ってあり、物珍しさも貴重価値もそれほど感じるものではありません。
{岩木山で栽培している在来品種無農薬栽培の花嫁小豆。柔らかくふくよかな味わいはブランド化した大納言小豆には無い美味しさです。}
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自分の感じるところ一般的に言われるブランド物は大量生産です。利益追求型の大量生産商品より品質がいくらかいいというような物で、量は結構出回っていると感じます。
数百円から数千円の品揃いのお店やコンビニなどの商品から見れば少ないだけで、‘ブランド物’と名指しを受ける商品のほとんどは、出て見て歩いていれば結構な数を生産しているものでしょう。
多くの人に認知され経営が成り立ち‘ブランド化’させる為には、それなりの量と安定供給が不可欠です。
毎年、同じ時期にそれなりに多く出回り、プラスの利益が出るものしかブランド化はしません。
売る側も利益が見込めるものしか、セールスはしません。‘ブランド化’とは売る側の熱心な営業とそれなりの品質と安定量が伴い始めてブランド化が進むものでしょう。
これは料理の世界、食材の分野でも同じ事が言えます。
青森で漁獲量・生産量を表せば、マグロ(全国シェア1.5%)林檎(同56.1%)平目(同17.4%)ホタテ(同7.7%)ニンニク(同68%)牛蒡(同32.7%)長芋(同42.1%)カシス(同94.9%)烏賊(同21.7%)ウニ(同7.9%)<データーは青森県庁資料から>。
この他にも青森県には色々ありますが、もっとも有名なマグロを除くとその他の産物は全国シェア1位か2位のものばかりです。
数字を見るとこんな感じですが、セールスに重点を置かない青森は、これだけの量・数字があっても、実質一般的ブランド認知度はマグロ・林檎・ニンニクぐらいしか知れ渡っていないものでしょう。そのほかの物はブランド化が進んでいないのが現状です。
マグロの漁獲量は全国の14〜15番目とそれほど量的には多くは無いですが、人気度と高額な値付けがブランド化を勧めたものでしょう。
それは人気度を重視するテレビ・マスコミが黙っていても沢山取り上げてくれ、話題性があり収益が上げれるということが要因と思われます。
全国・世界中にブランド食材は、ゴロゴロありますが、本当に希少性があり、値段相応で、中身・品質が優れ、食べて・飲んで美味しいものは数少ないのではないかと思います。
{市場に出回る事のない笹竹。春の短期間だけ取れる天然物。繊細で爽やかな味とサクサクとした歯ざわりは春の柔らかさと香りを感じることが出来ます。}
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自分の様に料理の世界に関わり、毎日仕入れ・調理・味見を欠かさずに過ごしていれば、ブランド化はされていないけれど、ブランド物より品質が高く、美味しく、少量生産、ごく僅かしか取れない、それこそ希少性のある食材というものに出会うし、価値を見出すことも出来るものです。
また、その地域でしか取れない、その地域でしか認知されていない、その地域でしか消費されない食材というものも食料自給率の高いところではあるものです。
料理の最重要要素は如何にいい食材を探し、見つけ、目利きをし、食材の持ち味を生かし、余計な要素のみを引き算して、包丁の数調味料の量を減らし、シンプルに調理出来るか?が美味しい料理を味わえるポイントです。必要以上に商品価値を高める為、職人の独りよがりで技術を前面に押出した調理や多種の食材を混ぜ混ぜしたごった煮料理は美味しさは乏しいものです。
同業から見ればいい料理人、腕の立つ料理人とは、一般人から見たら大して技術を施してもいない、「食材ほとんどそのままじゃん!こんなのどこにでも有る!」というように見えてしまう料理を作ります。何もしていないような料理を造るのがいい職人です。実際は食材の目利き、高原価率、技術と知識と経験に裏打ちされた調理。食材の余計な要素を引き算する以上に自分の腕をも引き算して「出来てもやらない。」と技術を押さえ込みます。お客様には見えるようで見えないところで沢山仕事をしている料理がいい料理となります。
その様な料理を作る職人さんは、ブランド化した食材よりそれ以上のものを追い求め、常に探し回り、探求心・向上心を持ってブランドや教科書に左右されず、1%にも満たない優れた食材を求めて買い付けているものです。
けれどもその様な食材は、なかなか認知されていないものです。実力的にはブランド物よりも優れているのに、少量過ぎてテレビ・マスコミ・本などにも紹介されない。その様な食材を素直に「これ美味しい。」と評価できる方は少数派かもしれません。
多くの方々に知れ渡っているブランド物を並べた方が商売上はいいものでしょう。テレビ・雑誌・マスコミに素直な方々には優等生の方が心地良いと思われます。
まったくフラットな意識・感覚・味覚で、ブランド・マスコミに左右されないで自分の感性だけで正当な評価を食材・料理に出せるまでは、時間も懐も掛かるようです。
{下北半島佐井・脇野沢周辺で四月後半の2週間くらいだけ水揚げされる丸まると肥え鼈甲色した白身の天然黒ソイ。その時期だけ数匹会えるかどうかの希少物。普段見る黒ソイとはまったく別物の魚体。}
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近年は、天然資源の減少。利益追求型の工業製品。低価格化の大量消費加工食品。などなどの影響で、自然の味わいに触れる機会はまったくと言っていいほど無い方々が殆どかもしれません。
その様な添加物・薬品・合成調味料で作られた既製品は、味覚・嗅覚・視覚・大企業の宣伝による意識の植え付けなどにより感覚が麻痺してしまいます。自分から真っ当な食材・料理を捜し歩かなければ、不浄な食材・料理にしか出会えないものでしょう。
黙っていれば選択肢も無く、売る側の都合のいい工業製品で中身が不明確な食材・食品を買わされ消費しているのが実情です。その様な食生活ですから多くの日本人が水や豆腐、蒟蒻やところてんなどの繊細な味わいの食材の味を食べ分けれる時代は昭和で終わっているようです。
「空腹だけ満たされればいい。」と食べ物に興味を示さず低価格な商品を消費していれば、ブランド化したものさえも出会う事がないかもしれません。
ブランド化を超えた希少性のある食材や料理は、天然物の魚介類の中でもごく僅か、農作物の中でも少量生産です。年々、その様な希少性のある食材に出会える確立は右肩下がりです。天然物に至っては、魚も山菜も枯渇しています。
それでも、量は減少傾向にありながらも、各地域にはまだブランド化がされない優れた食材・料理が、地元の人々に親しまれ隠れた名産として残っていると思われます。「ブランド化なんかしなくていい。なくなれば困る。」「観光化して滅茶苦茶にされては駄目だ。」などと考えている方々も居られる事でしょう。
ブランド化したものよりも希少性もあり中身も充実しているものを多く知ってしまうと、ブランド物に対して興味が薄れるものです。憧れも無くなり。特別気にもしなくなるでしょう。
まだ多くの人が気が付かない、知られていない、そんなすばらしい食材・料理・お酒・お店などを見つけると、ブランド物を楽しむよりも数倍楽しくうれしいものです。
案外身近にその様なものが有るかも知れません。今まで見ている視点や感じ方、経験や知識などで見向きもしなかったものが「結構凄いなぁ〜。」と感じるように成るかもしれません。
テレビやマスコミ、月刊誌などに洗脳されないで、自分の感じるままに個々のものを平等に見て食べて感じれれば、より一層食文化は楽しくなります。
まじめに良心的にいい物つくりをしている方々はどの世界でもまだ居るものです。
在来品種(非遺伝子組み換え)で無農薬で野菜を栽培している農家さん。添加物を入れないで一つ一つ手作りで作っている和菓子屋さん。化学的な要素の調味料を使わず料理を作っている定食屋さん。養殖の魚を一切使わず料理を提供している飲食店。などなど利益が出ないと分かりつつ「いい仕事がしたい。満足度のある仕事をしたい。自分の家族にも勧めれるものを作りたい。」などなどと思って日々過ごして働いている方々は近くにいるものです。マスコミに出ない、ブランド化していないだけでいい物・人は居るものです。
多くの方々がもっともっとその様な事に着目すると、ブランド物に左右されるより充実した時間を楽しめることでしょう。
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{二つと無い山、津軽不二岩木山。}

楽天ブログ‘青森’もご覧下さい。
ライブドアーブログ‘世界に誇れる青森の郷土料理’もご覧下さい
ヤフーブログ‘食の源郷 青森’もご覧下さい。
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by tk-mirai | 2016-07-26 21:16 | Comments(0)

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