{津軽海峡産天然活締め平目2.3k。サクラマス3.7k。鯵ヶ沢産アマダイ1.2k。}
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皆様にとって料理とは何でしょう?
料理とはどんな意味合いがありますか?
料理の必要性や可能性はどうでしょう?
人類が誕生していつから料理をするようになったのか?どこから料理といえるのか?
人にとって不可欠なものに水・空気などの絶対要素に加え、衣食住は無くてはならないものであります。
それでもその中で、着る物は無くても気温が安定していれば生きてはいけるし、住むところも無くても取りあえずは生きてはいけるものでしょう。
ところが、食糧事情は水・空気などと同じくらい絶対要素として不可欠なものです。
服や家が無くて生きてはいても食べ物が無ければ生きてはいけません。
われわれの先祖はいつの頃から動物の毛皮や植物の繊維を編んだりして衣服をまとったのでしょうか?
いつの頃から洞窟や洞穴、大樹の枝上、石や木を利用して住まいをこしらえたのでしょうか?
先の二つよりも前に料理することを覚えたのでしょうか?後に覚えたのでしょうか?
料理を覚える前は木の実や植物や芋類、魚介類や動物類を食事にしていても、おそらくそのまま食いちぎって生食していたことでしょう。
石を使って潰したり切り裂いたり、そのうち火を使うことを覚え加熱することを覚え、その方が美味しく体に負担が掛からないこと、生よりも保存が利くことなどを自然に覚えたのではないかと思います。
切ると言うこと自体料理の始まりですが、日本料理のように‘包丁で切ることにより味を作る’というところまで進化しなければ料理とは言え無いのかもしれません。洋食・中華は切ることに重要性は置かず食材を切断していると言うだけで包丁一つで味を奏でるということはなく、とあるコックさんが「刺身は料理とは言えない。切るだけでは料理ではない。」という意見もあります。
それでも、そのままかぶりついていたものが、潰すなり切るなりして細かくしていったと言う事は、それが必要とした行為で食べ易くしてしているのですから料理と言えるでしょう。
「食べやすく。」と言うことが料理の原点かもしれません。そしてそこから進んで「美味しく。」と進化して言ったのではないでしょうか?
{親指大程もある津軽海峡大畑産大粒うに煮付け。}
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料理が美味しいとはどういうことでしょう?
皆様が料理に求めるものは何でしょう?
空腹を満たせればいいでしょうか?美味しければいいでしょうか?
料理とは何を食べるものでしょう?
美しさ?見た目?楽しさ?おしゃれ?社交?テレビやガイド本で紹介されたブランド?流行?話題?いって来たと言う満足感?
‘美味しさ’と言うものは一つではないし、人それぞれ美味しさ・味覚・感性・食経験・価値観・探究心など様々な要素が混ざり合って何が個人を満足させるのかは分かりません。
個人的な意見ですが、自分が考える料理の美味しさとは食材そのものの美味しさです。
食材が良くなければいくら優れた技術・知識があっても美味しいものは作れません。
美味しさの要素は食材が7~8割を占め、腕前は2~3割と昔から言うの当然のことであります。
食材の質が低いから、色々手をこまねいて調味料勝ちで食べさせたり、必要以上に食材の形を変え見栄えで食べさせるような料理が横行し「日本料理は目で食べる。」などと間違った言葉も生まれるのでしょう。
料理を着飾ったり、その周りの器・室礼・サービスなどは料理をさらに美味しくするための側面の要素です。
ブランドや流行、おしゃれ・話題性などは、美味しさとは無縁のものであります。
調理に関しても、技術・知識・経験に加え、油・調味料・香辛料・香草などは主役である食材を複合的に食べやすくする要素です。もしくは主たる食材の持ち味を覆い隠してしまう過剰な要素でもあります。
料理の美味しさの‘核’とは、食材そのものの質で主役となる食材そのものの持ち味を考慮し、不必要な部分をそぎ落とし、必要最低限の要素を付け加え食べやすく調理することが最上の食べ方です。
その意味では日本料理は世界の料理の中の最高峰で最先端で、一番シンプルで洗練されていて過剰なものをそぎ落とし簡素にまとめた料理の進化論といえるでしょう。
料理の美味しさそのものを追求していくと、料理の核となる食材そのものの探求となります。いい食材であればあるほど余計なことはしないで素直にシンプルに調理を仕立てることを基本とします。
それ以上に手を加える技術や知識があっても、そのもの本来の美味しさを損なうような調理や知識であったら自分の要素をそぎ落とし自分自身に引き算仕事をすることを求められると思います。
{カニ類の王者陸奥湾産トゲクリ蟹。身・卵・ミソ・甲羅の縁についている脂肪。と四つの味が楽しめます。}
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食材そのものの味を味わうなら、原始人の様に何も手を加えず姿のまま頂くのがいいでしょう。
けれどもそれでは現代人には食べづらいですし、美味しいとも感じないでしょう。果物以外の多くはそのままでは食べれないでしょう。
魚介類ならぬめり・うろこ・骨・血・内臓などなどが食べにくい要素ですし、肉類なら毛・皮・血・内臓・骨などなどそれぞれの食材で必要の無い部分が出てきます。
それを料理によって食べやすく美味しく仕立てる事が必要です。
食材そのものの不必要な部分をどこまで削り取るのか?どこまで加工するのか?どの程度の塩梅で調味料を加えたり加熱処理、もしくは生食で包丁の数をどれだけ入れるのか?
食材そのものの持っている要素を生かし、不必要な部分をそぎ落とし、人が食べやすく美味しく感じるところまで包丁・調味料・火を加え、食材個々に応じて引き算や足し算を進めていきます。そうすると出来るだけその食材の元の姿に近く、それでいて一口で食べれる大きさ、または箸で切れる柔らかさ、食べやすい歯ざわり触感、温度、濃度、塩梅などを考慮すると料理はおのずと非常にシンプルでクリアーで、見た目の派手さや演出とは程遠い物になり、見た瞬間食材そのものが何か理解が出来る料理が完成するでしょう。味わってみても油分や調味料、出汁や香辛料などの副的要素よりも食材そのものの味が明確で、何が主役であるかはっきりと分かる料理に完成します。
何種類もの食材をまぜこぜに料理することも美味しい料理には当てはまりません。相性がいい食材を合わせるとしても2~3品。4品以上の食材が混ぜ混ぜになった料理で食材そのものが美味しいと感じるものには出会ったことがありません。
過剰な調理・調味料・演出・話題などはその料理の本質・核を味わうことには邪魔な要素です。
{百年を超える林檎の古木。柏村。}
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美味しさに重点をおくと、食材の目利き、仕入れ、調味料などの選別、調理道具の重要性、調理過程の衛生 面などなどお客様に見えない部分も含め、どれ一つ取ってもみても原価が掛かる仕事にもなります。
率直に示すと、料理とは食材を味わうもので、飾りや調味料、器や室礼、サービスやブランド・話題を食べるものではないものです。決してそれらの要素が不必要と言うことではありません。それらの要素は料理そのものの味わいが優れて美味しくて初めて必要要素と成るものと思います。
日本料理の原型は江戸の中期にはほぼ完成されたと言われています。
新しい料理というものを眼にする事口にする事はまずありません。見た目・プレゼンテーションが一見新しいように見えるだけで原型は既にあるものです。
だからと言って現代料理が進化していないかと言えばそうではありません。
昔に比べれば、天然食材の量・質は落ちたかもしれませんが、その分冷蔵庫や調理道具、調味料や調理技術などはずっと進化していると思います。
料理名や本質は同じでも、これか先も料理は進化していくことでしょう。
自分が二十代前半はほとんど関東・関西料理を勉強したり作っていたのを方向性を変えて、自分の生まれ育って食べてきた青森の料理・食材を主役にしてお店を始めたのも、料理の核となる食材の豊かさ多様さ、繊細で濃厚で味わい深い郷土の味がもっとも魅力的で、関東・関西料理を目標にしていたのが振り返ってみれば青森がどこよりも優れた環境だと気が付いたからであります。
食材は旅をしては味わいは劣化します。いくら輸送が進んでも、食材はその土地から離れた瞬間ストレスを感じるのです。旅が可能な食材は肉類とマグロくらいでしょうか。美味しさを金の力で集めるには限界があるようです。一番の美味しさはその土地で生まれた食材はその土地で環境で味わうことが最上です。
良い食材であればあるほど、そのものの中核の部分をストレートに味わうのが一番です。
美味しいメロンがあれば、ハムを巻いたり焼いたり煮たりしないで割ってスプーンで掬ってそのまま食べるのが一番です。お蕎麦は種物よりもザルかかけが一番です。美味しい米は塩やふりかけもいりません。炊き立てをそのまま食べるのが一番です。美味しい豆腐は奴か湯豆腐です。
最上の食材を仕入れ、その食材の核の部分をくり抜き、包丁と調味料の数を減らし、そのもの本来の持ち味を生かしてシンプルでいながら他では真似の出来ない食材の核を尊重することを自分は料理の核としております。
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{下処理が完了した津軽海峡産天然活締めトラフグ。}

ヤフーブログ‘食の桃源郷 青森’もご覧ください。http://blogs.yahoo.co.jp/tugarukappoumirai/25651457.html
ライブドアーブログ‘世界に誇れる青森の郷土料理’もご覧ください。http://blog.livedoor.jp/tugarukappou/
by tk-mirai | 2014-04-23 21:58 | Comments(0)

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