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白トリュフ

{シェフ曰く、悪名高き白トリュフ。}
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仕事柄、作るというよりは食べる事が一番の仕事で、美味しいものを知らずには、お客様に「美味しい。」と言って頂けるお料理はお勧め出来ないものです。
提供する者が、ピンからキリまで知っているからこそ、お客様にご説明も出来るし、ご質問にもお答え出来るものでしょう。
お店をやって感じたことは、お客様たちのほうが食べ歩いているし、ご存知の事がまだまだ沢山有るということでしょうか。
この仕事に就いたのも食べる事が何より好きで、一番美味しいものを食べたいから、作り手に成って働いているものです。
ここ15年ほど、機会があるたびに県外でも県内でも勉強がてらに食べ歩いているものですが、青森を出れば出るほど青森は美味しいという思いが強くなります。お国自慢抜きにして、青森が一番贅沢な食生活を送っているものでしょう。
{白蕪のポタージュ仕立てにフォアグラを散らしてその上に。}
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それでもまだまだ知らない事が山ほどあり、お客様から「あそこのあれが旨いんだよ。」「ここのこれが美味しいですよ。」と教えていただき、機会をつくって、食べに出掛けるものです。
それでも、時々思うことは、「作るのも、食べるのも飽きちゃった。」と感じることがあります。お客様には失礼な発言かもしれませんが、朝から夜中まで、作り続け食べ続ける生活を10数年続けていれば、そう感じるのも致し方ないものでしょう。
恵まれた事に、そう思うのも短時間で済み、根っから食べるのも作るのも好きなのか、多くの板前さんやコックさん、料理を仕事とする方々がご自宅では料理を為さらないのですが、自分はめんどくさくも無く自宅でも機会があれば包丁を握ります。
{シェフ特製生パスタと弘前のホワイトアスパラガスに。}
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一般から比べれば、随分色々なものを食べてきたので、好き嫌いなくなんでも食べるのですが、何だかんだとは食べません。残り少ない食生活の為、これは口にする物、しない物とがはっきりしております。既製品やコンビニ食、チェーン店・フランチャイズ店などのジャンクフード、添加物まみれの物と養殖の魚は食べれません。なぜなら、アレルギーではないですが、食べると体に吹き出物が出るためです。というより美味しいものではないので、食べる選択肢の中に入っていません。普段は野菜類を中心に、季節の緑を食べております。
その為、質素な生活をしていても、たまに自分から計画して外食する時は、普段食べる機会が少ないものを指定して食べに出ます。
ですから、飲食店の方々にはご迷惑を承知で、「あれ食べたいんですけど・・・・。」と注文をして食べに伺います。
{シェフの自家製南瓜と自家製チーズのラビオリ仕立てに。}
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もちろんそんな我儘を聞いて頂くわけですから、それなりに普段から交流の有るオーナシェフに、日取りを告げて「お願いします。」と頼みます。もちろん、それに見合ったそれなりの予算は払います。
先月の事ですが、いつもお世話になっているお客様もお誘いして、弘前のイタリアンのシェフに無理をお願いして、「白トリュフを食べる会」を催させていただきました。
黒トリュフは今まで食べる機会は年に何度かあったのですが、正直に言えば美味しいと思ったことはありませんでした。
けれども有るお客様の「白トリュフは美味しいよ。シンプルな料理で食べなきゃダメよ。」の一言が何年も前から気に掛かり、「いつか食べてみよう。」と決心しておりました。
そのお客さまは、食に対して執着心が強く、イタリア在住で世界を回って食べる機会がある方の一言であった為、頭にこびりついてその一言が離れませんでした。
食べ物でも何でもですが、一回で答えは出せないですし、黒トリュフが美味しいと思わなくても、白トリュフは経験していないので、想像で「あ~だ。こ~だ。」と決める事は出来ません。
{シンプルにリゾットに散らして。}
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やっと機会を作り、お金を作り、世界一高いといわれる食材とご対面する事が出来ました。
イタリアの北部でしか採れないらしく(黒は日本でも採れるらしい)、2ヶ月くらいの期間限定品。日本での市場価格は、1キロ35万~55万円らしいです。
とはいっても、キノコですし、味というよりは香りを味わうものらしいので、「空輸されてくるので、香りは無くなるし、黒が別にという程度だから、あまり期待せず、お客様と時間を楽しもう。」と臨んでみたら・・・・・・。
「おおぉ~、これは何なんだ!経験の無い香り。どこかで嗅いだことがあるようでいて、初めての感覚。そして何とも不思議な妖艶な臭い。まるで悪い女と知っていながらも、何でか不思議に摂りつかれてしまう様な悪女の気配。」
シェフが一皿一皿ごとに、全ての料理に「白トリュフの会ですから・・・。」とスライサーで、目の前で白トリュフを鰹節を削るかのようにお皿に放してくれました。
削っているうちから、ぷんぷん、プンプン臭いが広がり、あまりの強烈な香りに鼻のいい自分は、まるで細い針で鼻の奥を刺された様な感覚になり、慣れるまで目がしびれてしまいました。
{鳩のソテー。レバーペーストやささ身、トウモロコシの粉のマッシュ仕立てとともに。}
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そして、白トリュフにぴったりののお料理と、また一緒に飲んだワインが、美味しさを倍増させてくれました。
イタリアのワインについてはあまり勉強していないので、お客様にお任せしたら、かなりマニアックな知名度の有るワインらしく、時間が経つたびに味も香りも変化していくそのルビー色の液体は、表現の仕様がありませんでした。
食べた経験から、黒トリュフと白トリュフはまったくの別物で、同じくトリュフと名前が付いているのがおかしいと個人的には思いました。混同されるので別の名前にしたほうがいいでしょう。白はまた機会があったら食べてみたいものです。
金の問題ではなく、いい時間を経験出来て、平成21年の自分へのご褒美が出来ました。
帰り際に、「これは、未来さんの分ですから・・・・。」と少し残った白トリュフの塊をシェフが包んでくれてお土産に持って帰ってきました。
次の日早速、1人お店で、お昼の賄に、スクランブルエッグを作り、トリュフを薄く刻みたっぷり掛けて食べてしまいました。
弘前で食事中は、3時間半も滞在させて頂いたのに、時間も忘れ、白トリュフに酔わせていただきました。
大変ご馳走様でした。

ヤフーブログ‘食の桃源郷 青森’もご覧下さい。

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by tk-mirai | 2010-01-07 19:12 | Comments(0)

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