雨水(うすい)

{大間町奥戸(おこっぺ)の、テンカラ(赤メバル・ツキヨソイ)1㌔と本鱒(サクラマス)2、3㌔}
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雨水・・・・・二十四節の一つで、2月19日。雪氷が溶け、雨水に変わる頃。この時期を境に、寒さも峠を越し、少しずつ温かくなる頃を言うようです。
地球温暖化により、この頃はめっきり冬も暖かく、季節感も薄らいできてしまいましたが、今年ほど寒暖差のある冬は、経験した事は無いように思われます。
青森では年末3~4日間、ず~っと、吹雪きっぱなし、三日間吹雪が収まる事がなかったですね。
ところが元旦早々、雨が降り、雨正月。雨が止むと、急激な冷え込みで、道路はスケート場のようにツルツル。昼と夜の寒暖差が10度以上の日もあり、車の運転も、歩くのも気を使う一月でした。
二月初めは、まるで四月初めの陽気。
一番寒くならなければいけないときに、いっこうに雪も降らず、降ったかと思うと一日で解けてしまう。
今までのような季節感覚では、春夏秋冬を過ごす事は出来ないのかもしれませんね。
季節に疎い、我々人間でさえこの調子なのですから、自然界で過ごす動植物や魚介類は、もっと敏感に、季節の変化の悪循環に気が付いている事でしょう。
年々、生態系が変わってきて、採れていた魚が揚がらなくなったり、今まで居なかった魚が見かけるようになったりと、食材もここ数年、急激に変化してきた事は、黙認できない事でしょう。
{七色に光る、ヤリイカ。この時期は子持ちです。醤油で煮付けると実に美味しいです。}
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飲食店で言う、「枯れ時期」。
二月と八月。冬枯れ・夏枯れといい、一番食材の乏しい時を言います。
海に囲まれ、県の中央に八甲田山連峰を抱き、東西南北に山や平野、川や湖などの自然環境に恵まれた青森県では、あまり食材に事欠く事はないのですが、寿司屋さんなんかでは特に二・八は、魚介類の少ない時期で、鮨ネタに困る時期でしょう。
和食屋さんなら、魚が無ければ、野菜でも肉でも、豆腐などの時知らず食材で料理は整えれますし、洋食や中華はあまり季節に関係ない仕事が出来るので、枯れ時期などはないでしょう。その分マンネリ化することが、多々あり、年中同じメニューというお店も少なくないでしょう。
この時期2~3月にかけての、青森の食材はと言うと、枯れ時期とは言え、野菜類は少ないとは言え、それなりに美味しい魚介類もあるものです。
{陸奥湾特産、ホタテの子。とろけるような舌触りです。}
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自分がこの時期ならではと、楽しみにしているのが、‘ホタテの子’。
産卵期を向かえ、柱の周りに、大きな舌のような物が付きます。
学術的には、白いのが雄、白子で、赤いのが雌、子になるそうです。
青森の一般的な食べ方は、しょうゆ味で煮付けてしまうのですが、その食べ方は口当たりがぼそぼそして、あまり食欲をそそりません。
ここ一番鮮度のいいものは、お刺身がお勧めであります。
柱からはずし、横に二つに切り、中の内臓を洗い、表面をサッと、熱湯をかけて冷水で冷やして水気をふき取って、山葵醤油で召し上がるのが、何より美味しい食べ方でしょう。
その味覚は、甘いウニのように、トロリとしていて、臭みも無く、日本酒が進む事でしょう。
青森のホタテは、三陸や北海道に比べると、小さいのですが、陸奥湾独特の環境が貝類には適していて、甘味が強く繊細で濃厚な味がいたします。
陸奥湾のホタテを食べ慣れている人は、その違いを食べ分けます。
この時期の目安は、ホタテの子の部分が、陸奥湾産は真っ赤な事です。三陸産や北海道産は、子の部分が、ピンクっぽい肌色をしています。青森のものに比べ、大きい分、外海(そとうみ)のものは大味です。
{津軽海峡産活ホッケ。刺身から焼き・揚げなどなど万能選手です。}
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そしてこの時期から、四月位までが、ホッケのお刺身の美味しい時期です。
ホッケは、アイナメ科(地方名は、アブラメ・アブラコなど)の為、見た目も身質もアブラメのようですが、アブラメとは違い、全国的に居るわけではなく、雪国のものであります。
水分が多く、身質が柔らかく、腐りも速いので、多くは、干物やすり身などにされます。
けれども、自分が仕入れている魚屋さんは、朝獲りのホッケを、生きたまま水槽で運んできてくれます。
その中から、腹が赤い、赤ホッケを選び、血抜きして、お刺身に仕立てます。
コリッとした歯ざわりと、甘味のあるその味わいは、雪国ならでわのものでしょう。
ホッケという魚は、安い居酒屋のもののようなイメージを一般的にはされていますが、魚を知っている方なら、ホッケは、美味しい魚の上位になることでしょう。
ちなみに、魚を食べ飽きている、自分でも、この時期、生のホッケと、ギンギンに光ったニシンの塩焼きは、ペロッと食べきります。
是非この時期だからこそ、雪国の味覚と自然と温泉を、堪能していただきたいものです。
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{春を呼ぶ庶民の魂‘えんぶり’。これは、重要有形文化財・更上閣で行われる、お庭えんぶり。二月の一番寒い時期に八戸・南部周辺で開催されます。}
by tk-mirai | 2009-02-17 19:47 | Comments(0)

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