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続 窯焚き

前回の続きです。
{綺麗に輝く、燃え滾る窯}
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汚れてもいいような服装で窯場に入ると、すでに、ひいろ陶房の息子さんと、青森のイトーヨーカドー近くでギャラリーを開いている今さんが、窯の前に鎮座し、窯焚きをしておりました。
自分も頭に手ぬぐいをかぶり、軍手をはめ、マスクをしてお手伝いをさせていただきました。
窯場は、薪の煙のすすで真っ黒け。
「なるほど、このすすを掻き集め、にかわで練りこんで書道の墨は作られるのだな。」と考えていると、早速、釜に薪を投入する時間になり、まずは見学。
薪をくべる釜のふたを開けると、すごい熱が伝わり、あまりの暑さに釜の中を見ているのには目を細めずにはいられません。
釜の中の温度は、1250度ほどに保たねばいけないそうで、手早く薪をくべねばなりません。
軍手を履きながら薪をくべるのですが、ちょっとでも間違えると、軍手ごと指も燃やされてしまうようです。
釜の中の器達は、真っ赤に燃え、鉄が赤々と燃えているようでした。
外は、氷点下前後なのに、窯場は熱気で乾燥して暑く、T-シャツにトレーナーで充分なほどの温度です。
{窯場の煙突は最高潮}
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窯焚き作業そのものは、そんなに難しいものではありません。
ただ、何日も続けて、徹夜で釜のお守りをするのは、体力的に大変な事でしょう。
たまに、ご近所さんが、煙突の火を火事と勘違いして、消防車が何台か来るそうです。
お話を聞くと、釜の中には、大小500個ほどの、花器や食器・酒器などが入っていて、そのうち何個ぐらいが、好みに焼けて、商品に出来るかは出してみなければ、分らないそうです。
そこに、薪釜の面白さがあり、電気釜や灯油釜のように計算出来、ある程度想像できる商品が作れ、ロスも少ない器作りとの違いでしょう。
灰がかかりすぎて、汚らしい器も出来れば、灰が器に張り付き、ガラス化したようにクリーミーな輝きを表現する時もあります。
朝から晩まで、窯焚き作業をしていると、体は火照り、窯ふたを開けて、釜の中を何度と無く覗いていると、ちょっとした、低温やけど気味になりました。
その日は、うちに帰ってからも、温泉にでも浸かっている様な感覚で、ず~っとぽかぽかしてました。
{窯元が、一つ一つレンガを外していきます}
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仕事の為、最後まで、窯焚き作業を出来ないもどかしさも程ほどに、「釜の蓋を開けるのは、日曜日くらいですかね?また、日曜日来ますんで、ひいろの親父さんに、日曜日まで、おとなしくしててくださいね。」(窯元のひいろ店主は、夜中の窯焚きのため、睡眠中でした)と、もう一人の窯元(夫婦で陶芸家)奥さんに話をして、帰らせていただきました。
後日、日曜日にお邪魔する自分の予定とは、無関係に、やっぱり、ひいろの親父さんは、釜の蓋を開けたようで、金曜日の午前中にいきなり電話が鳴り、御呼ばれされました。
器の窯焚き作業は、大体、釜を焼いた同じ日数釜を冷ますものだそうで(釜が冷めないうちに開けると、急激な温度変化で器が割れてしまう)、目安とすれば、釜の中が200度以下になったら、開けるそうです。
早速、仕事もそっちのけに、お邪魔して、蓋を開ける瞬間を拝見させていただきました。
窯焚きが終わって、3~4日たっていると言うのに、釜の中は、まだまだ暑く、サウナのような熱気でありました。
{花器と器がくっついてしまいました}
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手前から何個か取り出すと、器同士が熱でくっついてしまっているのもあり、どちらか一つは、犠牲に割ってしまうしかないそうです。
取り出した器は、灰をかぶっているものの、自分が思ったよりも、綺麗な姿で出てきました。
てっきり、真っ黒に灰をかぶり、それを綺麗に洗い落とすのかと想像していました。
ここからまた、一つずつ、石やサンドペーパーで、ごつごつした部分を削り、水洗いして、乾かせば、出来上がりと言う事になります。
この時の、窯焚きの作品は、3月に青森市民美術館で、共同展として開催されるそうです。
詳しくは後日、ご紹介いたします。
始めての窯焚き体験、ひいろ陶房の皆様有難うございました。
{凸凹の部分を削ります}
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by tk-mirai | 2009-01-19 20:12 | Comments(0)

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