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転換

{青森市。稲刈り後の八甲田山連邦}
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狩猟から農業へ、農業から工業へ、工業からコンピューターへ。
人間の生活習慣が大きな転換期を迎えている。
今現在、時代の大きな大きなうねりの中に身を委ねている最中であります。
人類が誕生して何万年だとか、地球が生まれて何億年だとかの論争は学者さんに任せるとして、現代人が転換期に立たされているという認識をする事はとても重要な事だと思います。
もう過去のデーターは通用しないし、あまり必要ともしない。流行は13年周期で回るとか、60年周期で人間は同じ行動をするという実績さえも問題ではない。
「あの頃は良かったのに」などという方々はこれからの時代生きていけるかどうかも分らない。
「生物が生きていくために必要な事は、時代に対応する能力が備わっている事。」‘ふるきを訪ねて新きを知る’温故知新の割合は激減している。
料理書を見ていても、ほとんど関東・関西流で書かれているのだが、20~30年前の献立では「烏賊刺しはゆでた後、氷水に落とし、水気をよくふき取り、包丁で切り分け盛付けする。」と示されている本がある。今の時代「お刺身です。」といって、ゆでたものを御客様にお出しする料理屋さんはたぶん存在しないし、御客様が許してくれるはずもない。
流通革命が起こる前は、東京では鮮度のよい烏賊など手に入るはずもなく、この様な仕事がなされていたのであろう。
14世紀フランスでは、フォークもナイフもまだ開発されてはおらず、エプロンなども無く、素手のままで食事がなされていたようである。
なぜ、フレンチレストランにお邪魔すると、テーブルクロスが掛けられているのだろうか?
昔の名残であり、当時の貴族方はテーブルクロスをナプキン代わりに使用し、クリームで汚れた口を拭き、ソースで汚れた手をこすり、ベタベタにクロスをしながら食事をしていた。
ちょっと不衛生というか、食事風景が汚いかな。
フォークもナイフも無いという事は、直に料理に触れるということである。
素手でじっくり触れる温度は50度以下。つまり冷めた料理をほとんど食べていた事になる。(つまり美味しい料理を半分しか知らない。熱々だから美味しい料理を知らない。)
ソースまみれの料理は、小学生が砕けたポテトチップスを食べる様に、料理を持ち、顔よりも手を高く上げ、口を開けその中に突っ込むのである。
料理書の挿絵にも描かれているのであるが、決してお行儀のよい食事とは思えない。
今現在、この様な習慣で生活していたならばどうであろう?
{浪岡町の冬景色}
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我々はもう、600年前はもちろん、たった20~30年前と同じ生活は出来ないのではないでしょうか。
10~20年前、良かれと思ってやっていた事は今は通用しない。「私は若い時、こうしてやってきたのだから、あなたもこうしなさい。」は通用しないのである。
昭和の時代、最先端だとなされてきた料理を現代、お店でお出ししたならばどうであろうか?
懐かしいと思う人はいても、お店は潰れる事であろう。
狩猟生活が何万年続いたかは定かではない。農業生活が行われてから何千年。産業革命から昭和の工業社会は数百年。コンピューター社会が始まって数十年。
次なる社会はクローン技術やバイオ・ウィルス研究が継続され、庶民さえも宇宙時代に流される。数十年後は一般庶民でさえも、宇宙で生活可能な時代になるかもしれない。
でもそうなれば、人類は生き残れないかもしれない。宇宙に行く事ばかり先走り、食べねば死ぬ生命にとって、食品や食べるという研究がかなり遅れているからである。(それに宇宙では採れたてで、香り高い独活の芽の天ぷらやピチピチの真ソイのお刺身や美味しい美味しい日本一の八甲田の名水が飲めるとは思えない。なので自分は皆さんが宇宙に移住すると国策や地球の法律で決められても、地球以上に、青森以上に美味しい食材があると保障されてなければ、ここに残ります。)
時代時代の移り変わりが短くなってきている。
これから先、映画の‘ターミネーター’の様に、義手や義足が機械か細胞か見分けが付かない時代が来るのではないだろうか?交通事故で脳が三分の一損傷しても、マイクロチップなどのコンピューターが埋め込まれ知識や記憶を補う事は不可能だろうか?視力が低下していく現代、バイオによる眼球の商品化は無いだろうか?携帯電話が姿を消し、腕時計の中にテレビも辞書も通信システムも通帳も複合された道具が開発されないだろうか?人は会話という習慣を捨て、文字や記号を発展させ歌う事は儀式や職業だけに限定されないだろうか?人口爆発で食糧危機になり、昔のように親同士が子供を交換し、人食する事は無いだろうか?生殖機能の低下により、子供が出来ない社会が存在しないだろうか?
‘おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に’山へ行かずともスイッチひとつで火は利用でき、川へ行かずともスイッチひとつで洗濯は出来るようになった。
洗濯は洗濯機が。ご飯は炊飯器が。加熱はガスや電気が。移動は車や新幹線やヒコーキが。人類の生活はめまぐるしく変化し、便利にも物質的にも豊かになった。
時間の短縮化が進んでいる。全世界同時に経済は引っ張り合いこし、昨日は一億稼いだ。今日は地球の裏側に三億盗られた。など今までのような時間の格差は無くなった。
{津軽半島。天然なめこの集落}
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それでも便利だ。物があふれている。と言っても人間が幸せとは到底思えない。
芝刈りへ行く時間も、川へ洗濯へ行く時間も、手間隙も機械化のため短縮され便利になったとは言え、洗濯機だ、炊飯器だ、ガス・電気コンロだ、車だ、テレビだ、携帯だ、コンピューターだと、次々買って維持するために、次々労働し、稼いで、時間を奪われ、生活を苦しめ、精神を追い詰めているのは間違いない。次の時代は何を買えばいいのか?何を買わなければいけないのか?その為にはどれだけ働き、どれだけ収入があればいいのか?税金は?年金は?保険料は?どれだけ精神を病めばいいのか?
食事をする時間はどこへ?会話する楽しみはどこへ?湯船に浸かる時間はどこへ?一家団欒はどこへ?
もういい加減、生活を根本的に見直さなければいけないであろう。が時代の流れや転換は受け入れなければいけないであろう。
狩猟から農業へ。農業から工業へ。工業からコンピューターへ。人類は第四の世界に進出した模様である。
でも、そんな事より、毎日毎日の食事に夢中になりたい。と自分は思います。
何も考えづに、自然を愛でて、温泉に浸かり、美味しい料理と美味しい地酒で夜の深けるまで気心知れた仲間と語り明かせば、それだけで何よりの贅沢。青森ではそれが日常的に可能なのである。すばらしい環境でありますね。
「今40歳で、60歳まで制限なく美味しい食事が出来ると仮定する。一日2食で計算して、あとたった15000回しか、食事が出来ない。その一回を無駄にお金を払わなければいけないと腹が立つ。」と言う御客様もいるのであり、食べ物の話は実に気持ちがいい。
{東通村。尻屋崎。大海原の向こうは北海道。}
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by tk-mirai | 2008-03-06 15:31 | Comments(0)

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